今回は打ち放し壁の問題の、コールドジョイント、水の吸収など、コンクリート住宅の特徴的な欠点や注意点に焦点を当ててみました。
打ち放しコンクリート壁に使用する材料の、生コンクリートは 生 とつくように 工場製品では無く、現場で流しこむ生ものです。
新築住宅に人気のある打ち放し仕上げですが、いくら品質の検査を入念に行っても、腕の良い業者さんでも、なかなか完璧に仕上げる事は難しいです。
打ち放し仕上げでは代表的な問題で下記のような事が起こります。
打ち放しコンクリートの問題
豆板(ジャンカ)
コンクリート表面に砂利が露出して空洞が出来たもの。
いびつな形や、開口部が入り組んでいるところに入りやすいです。
気泡(ピンホール)
つぶつぶの穴。大きなものは10mm超えるものもあります。
小さい頃、よくこの小さい穴に指突っ込んで、
ホジ・・・
ホジ・・・
したこと無いでしょうか?
表層剥離
画像ないです。すみません。
本来はツルツルしている表面ですが、一部分で、ざらざら変わったりする面です。
コールドジョイント
生コンクリートは、いっきに上まで流し込むと、型枠に急に圧がかかり、型枠が崩壊する恐れがある為、ミルフィーユみたいに何回かに分けて1番上まで流し込んでいきます。
その際、時間が経って固まり始めたコンクリートの上に柔らかい生コンクリートを重ねていくので完璧に一体にならない場合があり、亀裂みたいに上と下で色が違う場合があります。
色味が不均一
打ち放しの壁は色味が均一にはなりません。
その理由は現場でコンクリートを流し込む時間が違っていたり、流し込む日がそもそも違う、型枠に使われている1枚1枚の材料の水分量の違いだったり、たくさんの理由が重なり、不均一性が生まれてきます。
色が違うのもアジでしょ!と割り切れる人なら良いのですが、均一に見えないと絶対嫌と言う方は、打ち放しの仕上げは絶対にやめたほうが良いです。
錆汁
コンクリートを打ち込む前に雨が降ったりして、セパと言う型枠押さえや鉄筋の錆が表に染み出て表面仕上げに残った状態。
上記の問題が起こらないように、コンクリートの水分量・硬さ・空気量など品質にこだわったりしても実際は開けてみないと分かりません。
完璧にできてなかったからと言って、建物を取り壊し、やり直したりすることは出来ないため後悔する方もたくさん居るので使うところには注意が必要と思います。
コンクリートって実は・・・
コンクリートの壁にバシャっと水をかけるとします。
壁の色はどうなりますか?
① 変わらない
② 濡れた所が黒くなる
正解は ② 濡れた所が黒くなる です!
なぜ黒くなったと思いますか?
水を吸収しているから黒くなっています!
当たり前だろ!って感じですよね!
でも大半の方はコンクリート住宅って完璧に防水性があると思っています!
コンクリートはある程度の水の吸収がありますが、一般的には低い水の吸収率を持ちます。 コンクリートは水とセメントの化学反応によって硬化し、その硬化後の結果として一定の防水性を備えています。
ただし、完全に防水できるわけではありません。 コンクリートは微細な気孔や微細なクラックを持ち、これらの通路の一部の水分が吸収されることがあり、その影響を受ける場合、水の吸収量はさらに増える可能性があります。
そのため、コンクリートの防水性を向上させるためには、正しい防水処理が重要です。防水剤の使用やコーティングの施工など、追加の処理を行うことで、コンクリートの水の浸透を防ぐことができます。
総じて言えることは、コンクリートは水の吸収を中心に一定の防水性を持っていますが、完全な防水ではないため、特に水密性の要求が高い場合には追加の対策が必要となります。
打ち放し壁のコスト
打ち放し壁は塗装無いし、そのものが仕上げなので安く思っている方が居らしゃいますが、結論から言うと高くなります。
上がる要因① パネコートの型枠
そもそも型枠材のべニア板は何回か現場で使いまわしますが、打ち放し仕上げの型枠は新品のパネコート型枠と言う表面がオレンジのツルツルしたもので作るので、打ち放し仕上げの注文があった際は新品を買って使用しますので、3回現場で使いまわせたとしたら、型枠代が通常の3倍になります。
上がる要因② コンクリートの防水性を上げる処理
打ち放しの壁は塗装していないようですが、大体のお家は塗装しています!
クリア塗装と言う透明な塗料を使用するのですが、その性質も特殊で水性アクリルシリコン樹脂、水性ふっそ樹脂を採用することで紫外線や酸性雨によるコンクリートの劣化を防ぐ必要があります。
通常の住宅では採用しない塗料ですので、塗装の代金も割高になります。
また、クリア塗装なので塗膜の厚さが薄く、通常の塗装面と比べ頻繁に防水処理をしてあげたほうが、建物の性能や美観を保つために必要です。
上がる要因③ コンクリートの品質管理と業者選び
コンクリートの品質計画・業者選びが非常に重要になる為、得意な業者、設計者の選定が必要です。
なので打ち放しの仕上げをやる会社はおのずと限られてきます。
じゃ、打ち放しってかっこいいけど使えないじゃん!
塗装で覆われる外壁ならいくらでも補修方法はあるのですが、打ち放し外壁はそのものがデザインなので、そのような問題が起こった時に美観を損なわず補修することは極めて困難です。
玄関のヒンプンのような外側や、バルコニーの外壁なら室内とは離れているため、もし壁から雨漏りしても、室内側に雨漏りするわけでは無いので、生活には支障はないですが、寝室・子供室・LDKのような居室など、随時人が居る所での外壁には、あまり使用しないようにする事をお勧めしています。
私たちが大切にしていること 家族の未来を見据えた理想の住まいを
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